大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)1341 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人北山六郎、同宮崎定邦の上告理由第一点、第二点について。

原判決の、被上告人が本件溜池につき三分の二の持分を有し、判示のような経過

をたどり、これを上告人に売却する契約が成立し、被上告人主張の残代金支払の約

定がなされた旨の認定は、挙示の証拠に照して肯認できるし、これらの点に関する

証拠の取捨判断ならびに上告人の原審における主張に対してなされた判断は、すべ

て首肯することができる。

所論は、本件溜池の売買契約が乙第一号証(不動産売買契約証書)の作成により

成立したものであるから、同号証の文面を重要視して右契約内容を解釈すべきであ

るし、本件溜池の所有権移転登記の際は別に乙第六号証(不動産売渡証書)が作成

されているのであるから、右乙第一号証こそが当事者間の実質的契約内容を記載し

たものと解すべきであると主張するが、乙第六号証が別に作成されているからとい

つて、乙第一号証を所論のように解さなければならないものではないし、原判示に

よれば、乙第一号証が作成されるに至つた経過は首肯し得るところであり、又所論

は、乙第二号証(書翰)が、被上告人が訴外Dに対して自己の持分の証明を求め、

これが得られない場合には本件溜池につき自己の持分を二分の一とする外ない旨の

認識を表白したものであるというが、右乙第二号証発信の趣旨についての原判示も

また、挙示の証拠に照して納得できるところである。所論は結局、独自の見解に基

づいて原審の適法にした事実の認定、証拠の取捨判断を非難するものであるから、

すべて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

- 1 -

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!